SS message

ちまちまSS書いてます・・。


愛おぼ設定、その後です。


子守唄を想わせる、可憐な歌姫の歌声は、殺伐とした戦いの場でさえやさしく響いた。

一瞬、やさしさを感じ取る事が出来たが、その響きさえ、一条輝が志願し、遂行される作戦の一部である事を認識せざるおえなかった。

目標のあらゆる情報が、輝と宇宙の間を遮っている囲いであるキャノピーと全面にあるモニター画面が映し出す。そして、彼女の声がさらに正確に目標に導く。輝の五感が一気にひとつの目標に対して集中した。

目標を撃破して脱出する間に見た爆発による明るい光に、恐怖を感じるでもなく、美しいと思うでもなく、ただ無機質に機体を操る。
彼女に任務完了の知らせを入れる。それを受け止めた彼女の言葉が通信から流れるのを聞いた。

何も感じなかった身体に血が流れる。彼女の声を聞いて、はっきりと認識できた。生きていると。

はやく会いたい!

叫びたい気分になった。



マクロスに帰還したら、輝はすぐにでも未沙に会えると思った。しかし、状況はそんなに甘いものではなく、作戦終了に功績があった輝にも、休む間もなく次々と任務が与えられた。

戦傷者の救助や行方不明者の捜索。そして、今後、どのような動きがあるか全く不明の敵に対する警戒。もちろん、バルキリーで宇宙に出ていな時でさえ多忙さは変わりがなかった。報告、調整、打ち合わせ、そして、なんとメルトランディの女の子と一緒にいるというマックスから送られてきた、膨大な量の資料の解析など・・。

輝が忙しいのと同様に、未沙も多忙を極めているのは容易に想像できた。
だけど・・それにしても・・、ほんの少しでも会えたら・・。


機体整備の手伝いをしながら、ふと物思いに落ちた。コクピットの底にある、端子にノート型の端末を繋いで画面上でのチェックをする。自然、コクピットにもぐりこむ形になり、輝は久しぶりに一人の時間が取れた気がした。

ぼんやりと、彼女の事が・・浮かぶ。

荒廃しきった地球からマクロスに帰って、もう何回か未沙と抱きあった。でも、一人でいる時想い浮かぶのは、あの初めての廃墟での夜。

硬くその身体を包んだスーツのジッパーの隙間を開いて誘い出した、白くて弾力のある、形のよい乳房。その先端は薄く紅く色づいて、舌を這わせると、彼女は小さく悲鳴を上げて顎を引いた。輝の行為が未沙の何かをうごかしていって・・そして、たぶん、お互いが真っ白になった。
その感覚の中で得た、想い。

この人と、一緒にいよう・・。

頭を抱えて小さく呻いた。すぐにでも会いたい。会ってあの柔らかい身体を感じたい・・。
会えない事が、好きな気持ちが、こんなに苦しいなんて・・。

ふと、ノート型端末のある機能が思い浮かんだ。

漂流生活から帰還後に交換した、軍部からあてがわれたアドレス。ずっとそのアドレスで連絡を取っていた。未沙は忙しくて、メールなんか見る時間なんてないかもしれないけど・・。

自分用のパスワードで艦内ネットワークにログインして・・。ほんの一行だけ、メッセージを送ってみた。

「中尉、何やってるの?」
コクピットを包む機体を、整備班長で白髪まじりのマツイ軍曹がコンコンと叩いた。いつも、過剰なGで機体を痛めつけて帰ってくる輝にとっては、頭が上がらない人だ。

ギギィ~っと歯を食いしばってから、ひょいと顔を上げた。
「なんでもないです!」

「彼女に会ったんですか?いいなぁ!やりたい盛りは!」

輝は茫然とマツイの言葉を聞いた。

・・・そりゃさぁ・・。

会いたいし、抱きたいよ・・。

そう心でつぶやくと、なんだか力が抜けて、そのままずるずるとコクピットの中にすべりおちた。
「あぁ!中尉!」
周りがざわつく気配を感じながら、輝は襲ってきた眠気に勝てず(蓄積さらた、ひどい睡眠不足ではあったのだが・・)そのまま眠ってしまった。

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2011-05-13 : SS message : コメント : 0 :
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