SS 空の旅 2

ネタとしては以前からあったのですが、今回やっと蔵出しです

たいしたことは無いのですが、続きです



復興がかなり進んだとはいえ、まだまだ「大戦前と同じ」とは言えない。
輝たちが乗った旅客機も、それほど大きなものではなく、ファーストクラス・・などがあったジャンボジェット機では無い。戦前に未完成だったMITUBISI の中型旅客機の実機が奇跡的に無傷で残っていた。そのデータと、戦前は軍事機密だったオーバーテクノロジーの技術によって、安全性の高く、そして飛行距離の長い中型旅客機が、まずが世界を繋ぐようになった。

美しくしなる主翼の曲線。
飛行機がどうやって飛ぶのか・・。幼い日、輝は父親に聞いたことがある。父親と車に乗って買い物に出かけている時だった。
助手席に座る輝に、父はこう言った。
「じゃあ、窓から手を水平に出してみろ・・そして少し小指を下げる・・ほら、飛ぶだろ・・?」
郊外とはいえ、車が多い公道。やや危ない実験だったが、一発で・・直観で・・飛行機が空を飛ぶ仕組みを知った。
懐かしい思い出だ・・。

シートベルト着用サインのランプが消える。
「何か飲む?でもビールは・・機内に無いかもよ?」
未沙が悪戯っぽく言う
「うーん・・これ以上飲むと、眠くなっちゃうよ・・。もったいない・・」
飛行機に乗るのが、よっぽど楽しいのね・・と、未沙はクスクス笑う。
まぁ、そうとも言う・・。照れくさくなって、輝は自分の鼻をすこし指で掻いた。

機内サービスはオンコールなのだけど、一人の客室乗務員が笑顔で近づいてきた。
「・・早瀬少佐、お久しぶりです」
「ヤスダさん!まぁ、こんな偶然ってあるのかしら!」
未沙は声をあげて嬉しそうに笑った。
整った顔立ち、黒い髪、きれいなスカーフを巻いた日本人女性。彼女はかつて、マクロスの指令センターで未沙の秘書をしていた女性だった。対戦後、地球で生き残った彼女はアラスカに渡り、軍隊の業務に請け負う会社に入った。派遣先が、なんとあの早瀬未沙の秘書だった訳だ。その後、新しくできた航空会社に転職したのだ。

「早瀬少佐のおかげで、たくさんのタスクをこなす事ができるようになったのですよ」
小さく頭を下げる輝に、ヤスダはそう答えた。
「あぁそれは間違いないでしょう!」
大喜びで笑う輝の顎がパァンと叩かれて横を向いた。

「ありがとう、何かあれば、伝えるわね」
顎を撫でる輝を横ににっこり笑う未沙に、ヤスダはうっすら額に汗をかいまま笑顔で頷いた

「もう!余計なこと言わないの!」
「いったぁ~・・あぁこわいこわい・・」
未沙から怒られるなど慣れたものだ。彼女の耳元で、叩かれた顎を撫でながら・・後でお仕置きだぞ・・とかつぶやてみたり。
未沙が真っ赤になる気配を察して( ̄▽ ̄)としてから、また窓を観た。

そして腕時計で時間を確認して、また窓から外を見る。
雲一つない好天だ。海の波頭が小さく見える。

離陸してから46分。行先を考えると、この時間でこの高度は低くすぎる。
何かあったか・・。そう思ったが、他の乗客の事を考えると、迂闊なことは言えない。
未沙に伝えるか・・そう考えていると、ヤスダが少し硬い顔で近づいてきた

やはり、「何かあった」のだ

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2017-05-10 : SS 短編 : コメント : 4 :
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Re: 嫌な予感
そうです!!旅客機と言えば紅空の伊達機長です!

たしか伊達機長は、今でいうCAさんを妊娠させてませんでしたっけ?
なんか、当時は航空自衛隊のパイロットが退職して、民間にいくケースが多くて、「養成機関じゃないぞ」ってことになったらしく。

今は空自でパイロットになって退職しても、2年は民間でパイロットになれないって聞いた事があります。マニアな知識(^_^.)
2017-05-16 22:45 : michy URL : 編集
嫌な予感
飛行機乗りの感?
michy輝の父が神田さんなら、これはもう遺伝的に民間機とは相性が悪いのでしょうか? Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
2017-05-14 09:58 : komesa URL : 編集
Re: No title

優しいお言葉、ありがとうございます
うーん、なんかバキッと折れちゃって

でもここの作業は楽しいから、ボチボチやっていきます
ありがとう
2017-05-12 09:08 : michy URL : 編集
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2017-05-11 15:19 : : 編集
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