SS 時間旅行 13 ちょっと追記

続きですー

楽しんで頂けるかどうかは・・ナゾ(。´・ω・)?ですが。。。
よかったら覗いてくださいませ。。。

まだ続きまーす



ミンメイは、ゼントラーディー人のアボックが作ったという曲の譜面をじっくりと見た。
近くにあったキーボードでもって、そのメロディラインを奏でてた。
でも・・・なんで、この曲を・・・

今あなたの声が聴こえる
「ここにおいで」と、
淋しさに 負けそうなわたしに

・・・もう一人ぼっちじゃない あなたがいるから


キーボードに背を向けて、ミンメイはアボックに向き直った。
「ねぇ、早瀬艦長はこの歌を知っているの・・?」
「ええ、素晴らしいと言ってくれました」
あいかわらずな無表情で、アボックは答えた。

「・・・素晴らしいか・・・ヤな奴・・」

プイっと顔を横に向けた。
あの人は、誰からも尊敬される人格者で、お顔もお姿も美しい。立場もこのメガロードの艦長だ。そして、愛する輝の妻で、輝の子供の母親でもある

一人じゃない・・か・・

「そうね~素晴らしいわーひとりじゃないわーーーっとか・・。私、言いたくない気分なのっ。理屈じゃなくってっ!だって一人だもん」
キーボードの椅子に座って、ミンメイは自分の太ももを両手でパンパンと叩いた。瑞々しい、いい音がした。
少し困ったような顔をするアボックを見て、ミンメイは立ち上がってから、べーーーっと舌を出した。

「どうせ私はワガママで自分勝手なビッチですよーーーーーだ!そうそう他人の幸せなんか歌ってやんない!」

スタジオの扉をバタンと大きな音を立てて、ミンメイはそのままスタジオを出た。



チラチラと流れる涙をぬぐいながら、ミンメイは自分の部屋に帰るために急いだ。
歌を歌う人は、素晴らしい透き通った心を持っているべき…そんな想いが、いつも重荷になっていた。

文化を広げるなんて、後で周りがつけた理由だ。ミンメイがメガロードで宇宙に出た理由は、輝と離れたくなかった。なんとかして彼と付き合いたい…などというより、彼の消息が解らなくなってしまうのが怖かったのだ。
でも、結婚までした輝と未沙が居るのに、そのままの想いではいられない。
二人の幸せと、メガロードにかかわる人々のために歌う・・。そう思いながら歌ってきたのに・・。
繕ってきた想いは、ちょっとした瞬間に壊れてしまうもの・・と、言う事なのだろうか・・
「もーーーー!もっと悪趣味でゴリゴリなアイドルソングの方が効果あるんじゃないのーーーー!」
自分の部屋に入ってから、ミンメイは大声で叫んだ。
こんな曲、明日突っ返してやる…
そう決意して、ワインセラーから、ちょっと貴重なワインを取り出して、立て続けにグラスに注いで何杯も飲んだ。
ハーフボトルを8割がた飲み干した後、真っ赤になった身体をよれよれと引きずって、シャワーを浴びた。
髪をいい加減に乾かして、そのまま両手両足を投げ出すように、ベッドにダイブすると、そのまま濡れた目を閉じた。



アルコールの為なのだろうか。彼女はぐっすり眠っていた。
眠っているのに、なんだかリラックスした自分を、ミンメイは感じていた。感覚だけが、なぜかちゃんとある。

夢を見ているのだろうか・・
湿度を含んだ風が、頬を撫でる

なんだろう・・、でも、この風の感触は知っている

そう思った瞬間、ミンメイは海の上にいた
懐かしい地球の、海の上

水平線に満月が登り始め、月の光が海の上に銀の道を作り出している

行こうよ 一緒に


誰かの声がする
少女の頃の記憶がよみがえった

行くの?

行こう!

姿が見えない
けど、一緒に居てくれるのが、わかる

でも、海の上よ。光の道に見えるけど、ただの月の光だわ

道さ。滑走路と思えばいい・・

そうか、道…、滑走路なのね


一瞬で決意した
海の上に輝く光の道に、ミンメイは足を踏み入れた

流れるメロディーに身を任せ、銀の道の上を跳ねる
両手を広げて浮き上がる

グングンと海面が遠くなった
無数に輝く星。あれは、地上の光なのか、それとも天空の星なのか
星々の光に合わせて、ミンメイはあの曲を歌いだした
アボックが作った、あの曲を



覚えていますか

目と目があった時を



光たちは さらに輝きを増す
光は命そのものに見える

過去に生きていた命
今生きている命
これから生まれてくる命

なんて きれいなの・・・

歌いながらミンメイは涙する
流れた涙も、輝く星になった

・・さぁ、ご挨拶して・・

少女の頃に聞いた、彼の声がした

そうだ、ちゃんとご挨拶を・・
この輝く命たちに

ゼントラーディー人の命も、まだ見ぬ異性人の命も
父も、母も
輝も、あの人も、あの人の子供も・・

全てが、あの光なのだと・・・




もう、ひとりぼっちじゃない
あなたが、いるから・・・








スポンサーサイト

2017-01-25 : 時間旅行 メガロード航海編 : コメント : 4 :
コメントの投稿
非公開コメント

Re: 崇高だなあ
いつもありがとうございます。
崇高・・というより、生きていくためのアガキというか・・。
でも、難解なのは間違いないだろうと思います。でも、いつも解りにくいSSばっかり書いているから、まぁ・・イイかと、開き直ったり。。
言葉は足りないかもしれませんが、私もイメージとか直観で書いているので、いつも解りにくくなってます。でも、こうやって、お付き合い下さっているあなた様がいて、私は幸せです。

アウフヘーベンとは何ぞや・・と思って検索してみました。
すごく興味深かったです。
生きていくには、否定と否定の積み重ねに、次の段階に進む勇気がいる・・って事ですかね。いくら今に希望が無いように見えても、本人次第だと思いますし。。
ミンメイも未沙も、きっと足掻いてます。まさに私も。生きていくしか選択肢はないですもんね。
2017-01-26 22:47 : michy URL : 編集
Re: No title
コメントありがとうございます。
私の想いでは、ミンメイにはあんまり物わかり良くなって欲しくない感じなんですよね。感情丸出し的な。ココロ全開的な。
だからこそ、異星人の心を打つ・・と、思ったり。

情景を一緒に見ているようとは・・なんと嬉しいく有難いお言葉なんでしょう。
太平洋側に住んでいるので、冬の水平線から登る月を見て、感動した思い出があります。ヨット乗りの人たちは、登る月の光の道を、ミルキーウェイと言うらしいですが、私には銀の道に見えました。スマホとか無くて、携帯にカメラとか無かった頃なんで、その光景は思い出にしか残っていないのですが、すばらしい光景だった・・と、今でも思い出すことがあります。
私も、感動しました。ありがとうございます。

2017-01-26 22:39 : michy URL : 編集
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017-01-26 18:37 : : 編集
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017-01-26 02:35 : : 編集
« next  ホーム  prev »

プロフィール

michy

Author:michy
記事へのコメントは、予告なく削除する場合があります。また、記事と関係のないコメントにはお返事しないか削除する場合があります。