SS 帰還後 その5

そして・・その5です。終わらそうと思ったけど、無理でした。

エロ描写ありです。苦手な方はさけてくださいね。



早瀬少佐の管制が変わった。そんな事が、密かにパイロット達の間でささやかれるようになった。今までのように、正確で的確、余分な事は言わず、間違いがあれば厳しい口調で再度確認を求められる、といった隙のない誘導から、まるで、パイロットの目になった様に情報をくれるようになった、と。

例えば今までは、パイロットがレーダーや目視で確認できる位置に、コースの違う航空機が存在しても、管制官の未沙が衝突の危険性はないと判断したら、それは余分な情報としてパイロットには知らせなかった。しかし、今は衝突の危険は無い事を知らせ安心を与え、パイロットは任務に集中できるようになった。
「前方の小隊はA路に着陸しますが、あなた方はB路です」混乱した現場で、戸惑わないように付け加えられる一言で、着陸時のアクシシデントも激減した。空の男達は、目的地に着くまで、そして帰って来るまで、早瀬少佐が見ているという安心感を覚えるようになっていた。

男が出来たせい。男がベッドで教えている。

そんな噂話が、艦橋にいる未沙にも届くようになった。
未沙は、輝がそんな噂を知っているのか、少し気になった。ただでさえ、一か月も漂流しての帰還なのだ。いろんな憶測があっても仕方がない。輝は自分よりもきっと、そんな噂話に接する事が多いのではないか。

輝に管制の内容について、とやかく言われた事はない。ただ、相手を想う気持ちが、仕事の内容まで変えてしまったというだけだ。

夕食の準備をしながら、そんな事を考えていた。

輝は勤務明けの時間より遅れてやってきた。一目で不機嫌そうな顔に、未沙も考えたくない明日の予定が思い出された。

「お疲れ様、もう夕ご飯、出来てるのよ」
「あ・・あぁ、ありがと。うまそうだね、早く食べようよ」

食事を見て表情が和らいだ輝にホッとした。相変わらずの食べっぷりに未沙の顔も和らぐ。たわいもない話が心地良かった。

でも、明日の事を話さない訳にはいかない・・。

「ねぇ、明日着る礼服は用意できたの?」
明日、式典のために礼服で参加するように言われている。内容は公になっていないが、密かに進んでいた和平交渉の成立を発表する場なのだ。
捕虜となって、巨人達と関係を持った人物として参加する・・と、直接あのヒラキから伝えられた。

「礼服?あるわけないだろ。地球の宿舎で灰になってるよ」
「・・じゃあ・・どうするの・・?」
「知らね、いつものでいいんじゃない?」

輝の不機嫌の原因は解っている。ミンメイが行方不明になったいきさつが用意され、ヒラキから説明を受けた。

きっとその事が原因だ・・。

リン・ミンメイは、宇宙を旅するマクロス市民を勇気づけるため、航行中の土星の環をレポートした。パイロットはミンメイと噂があった輝。上司の未沙が付き添い、ロイ・フォッカーが護衛についた。そして、不幸な出来事が起こってしまった・・。

自分がやった事をちゃんと償いたいと思う輝には、受け入れられなかったのだろう。

未沙には、もうひとつ気になる事があった。
きっと、彼女が現れる・・。

もし・・、輝が彼女を選んだとしても、誰も恨んだりしない・・。本心なのか?そう自分に問いかける。しかし、今はそう思っていないと、心のバランスが崩れ去ってしまいそうだ。

もの想いにふけりながら食事の後片付けをしていると、輝に後ろから抱き締められた。
「・・今はやめて・・片づけないと・・」
そんな未沙のつぶやきも輝には届かない。顔を横に向けてられて強引な口づけを与えられる。
「・・なんで?」
湿った声が耳元でじんわりと響く。
下着をたくしあげ、乳房をきつくつかまれて、スカートの内側に侵入した手が、下着の中に入った。

たまらず声をあげる未沙に、輝の熱くなった掌が、もっと先を求めて今まで以上に蠢いた。
「痛い・・!いや・・」
そのまま台所の床に倒れ込もうとする輝に未沙は抵抗した。
「ダメ・・!こんなところで・・」

「・・ベッドならいいの・・?」
後ろからきつく絞めあげて耳元でささやく輝に、うつむいて激しく首を横に振る。さらに逃れようとした時、未沙は抱きあげられてベッドに落とされた。

起き上がろうとすると、すぐに押さえつけるように輝がのしかかってきた。強いその手で服を破かんばかりに素肌を露わにしようとする輝に、未沙は震えた。
「イヤッ・・!」手足をきつく閉じてその侵入を拒もうとするが、荒い息と共に強い腕がそれを開く。
「やめ・・っ!」近づく唇を避けようとして未沙が顔を背けると、逆に首筋を差し出す形になった。
首筋への噛みつくようなキスに耐えかねて、未沙は輝の頭を開放された両腕で引き離そうとした。

抑える事が出来ない荒い息。輝は未沙に体重を掛けたまま、彼女の顔に視線を向けた。

「・・なんで?どうして抱いてくれないんだよ・・俺なんか・・要らないの?」

頼りなく、すがるよう瞳、それでいて強引な男の体が、逃げられない女の肢体を押さえつけた。
悲鳴のかわりに未沙は叫んだ。

「そんなに彼女と会うのが怖いの?!」

輝の動きが止まった。
「・・どいてよ・・」
未沙の瞳から涙があふれ出た。
ゆっくりと身体を離した輝も、つらそうにつぶやいた。
「泣かしてばっかりだね・・」

輝と眼を合わせられない。顔をそむけて言った。
「今日はもう帰って・・」
「・・わかった、そうするよ・・」
ベッドから降りて着衣を整える輝に、未沙は背を向けた。

「 じゃあ・・」輝は未沙の背中にそう言って部屋を出た。

未沙は声を殺して泣いた。
輝は出て行ってしまった・・。帰れと言ったのは自分なのに、涙が止まらない。なかなか起きない輝をやっと起こした幸せな朝が思い出されて、さらに未沙の胸をつぶした。

明日が来なければいい・・。けど、明日がなければ、この闇から出られない。

恋をするとは、人を愛するとは、これほどまで様々な想いにさいなまれるのか。
青いワンピースを着た小さな自分が、遠くでほほ笑んでいるのが見えた。

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2011-03-13 : SS 帰還後 : コメント : 2 :
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Re: No title
オマージュってことないですよ。っていうか、元々二次創作なんだし。私にはびえりさんみたいな緻密でハードなお話は書けないからね(^o^)
2015-04-08 15:09 : michy URL : 編集
No title
こうやって読み返すと、私結構michyさんの真似してますね…
パク…オマージュばっかですいません(´Д⊂

>男がベッドで教えている

こういう噂話とか、なんか好きです(≧∇≦)
2015-04-05 18:54 : びえり  URL : 編集
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