SS どこよりも 青い場所 4

むむ・・今日買い物ついでに、本屋に行ってみたら、5巻があった。買ったですよ。

その件については・・後日にして、輝テストパイロット妄想です。
やっと書けた・・。最近、ぱよぷーさんとかくまおさんのところで癒されて満足しちゃってるもんですから(^_^;)

そしてこのシリーズ・・1~3までは、カテゴリの「空白の2年間」に入っているので、よろしければ覗いてくださいませ(*^_^*)





「ねぇ、ちょっとテーブルを移動させましょ。一緒にお願い」
「え・・っと、どっちに移動させるの?」
「左に寄せて欲しいの」

輝がテストパイロットになってからは、未沙と休日が同じ日になる事が増えた。そしてその休日の今日も、未沙が輝の宿舎に遊びに来ているのだ。掃除をしに来ている・・とも言うのだが・・。

輝は未沙の提案で、彼の宿舎のダイニングキッチンの模様替えをする事になった。
輝がテレビを見るのにソファーを置きたいと言い出したものの、狭いからダメかな・・と未沙に話をした事がきっかけだった。

「大丈夫よ、テーブルと食器棚の位置を変えれば広くなるわ」

その彼女の言い分を信じて、二人して家具屋でソファーを物色した。未沙が選んだソファーは、なんだか大きく見えて、輝は少し心配になったのだが・・。

「ほら、広くなったでしょ」
テーブルと食器棚を移動させて、未沙は出来上がったスペースで、満足そうに手を広げた。
「ほんと、意外だな・・なんだか家が変わったみたいだ」
「よかった・・」
輝がホッとしている様子を見て、未沙もなんだか嬉しくなった。

「さてさて・・一休みしようよ」

家具屋でソファーと一緒に買ったクッションを二つ、床と壁の境いに置いて、輝はその片方の大きめのクッションにもたれて座わりこんだ。ソファーは後で配達してもらう予定だ。
「座れば?」
並んだクッションをポンポン叩いて彼女にそう言うと、未沙は少し頬を染めて輝の隣に座った。

沈黙が、なんだか怖い・・。

未沙はとっさにその「怖い」沈黙を破るべく、思い浮かんだ話題を口にした。
「そういえば、この前、次期主力のライトニング導入会議にね、新中州重工のバースさんって技術者さんに会ったわ。彼、あなたの事を褒めていたわよ」
「マジで?初めは本当に嫌なヤツだったんだ、あいつ・・」
輝は未沙を見ずに、顎を引いてぼそりと言った。

輝は今、次期主力可変戦闘機 ライトニングの開発チームにいる。ライトニングは宇宙での機動性が重視されているせいか、大気圏での運用にはまだ信頼できる領域には達していなかった。当然、操縦自動最適化システムを採用していた。しかし、機動性を重視して安定性を捨てた機体なだけに、安定した運用を目指すには、まだまだ操縦自動最適化システムの要であるソフトの開発が必要だった。

「ま、データ取りをやってても、充実感はあるよ。大変だけどね・・」

そう言って笑う輝の顔は、今までより少し大人に見えた。
未沙はほんの少し考えてから、ゆっくりと輝を見て言った。

「・・頑張ってね」

それは、優しいようで強くて、それでいて包まれるような空気のある言葉だった。
輝は壁とクッションにもたれかかっていた背を外して、床に座ったまま未沙に向き直った。
未沙も、立てていた膝を寝かせて輝の方を向いた。

時間がゆっくりと流れる。
二人の目が、やっと逢った・・その時・・。

ピンポーーーン

「あっああっ・・ソファー、届いたわ・・!」
少し甲高い声をあげて、未沙は慌てて立ち上がって玄関に向かい、部屋に残った輝は、大きく息をついてぐったりと壁にもたれかかった。

・・あぁ・・今、俺・・・

彼女に・・キスしたかった・・




休日が明けた月曜日。ぼんやりと過ごしてしまいたいけれど、与えられた任務を全うさせるためには、そんな呑気に過ごしてもいられない。
輝は早朝からの実験飛行を終えての報告の後に軽く昼食を摂って、午後からの任務に向けての打ち合わせをするために、ブリーフィングルームに向かった。

昨日、あの後・・。結局ソファーをどう置くか・・などと、どうでも良い会話をずっとして、そのまま一緒に夕ご飯も食べずに、未沙は「明日は早いから・・」と言って帰ってしまった。

ひょっとして、襲われるとでも思ったのだろうか・・。一人で眠る前、未沙の白くてやわらかい肌を想像をして、もう何度も・・。
でも、本当にそんな事をする勇気が、果たして自分にあるのだろうか・・。

その勇気というのは・・。「単に女に覆いかぶさる事」だけを言う物なのだろうか・・。
自分達の関係が、はっきりと男と女のものになれば・・、未沙は、自分の事を男と認めて・・愛してくれるだろうか・・。

堂々巡りな想いがまたグルグルと廻りだす。

こんな時は、任務にどっぷり漬かるのが一番だ。
そう思い直して、輝はブリーフィングルームの扉を勢いよく開いて、大きな声を出した。

「一条輝!入ります!」

ダメなのは重々承知だ。けどまだもう少し、あやふやなままでいる理由を、「任務があるから」にしておきたかった。

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2013-03-25 : 空白の2年間 : コメント : 4 :
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Re: 行けー!!
はよぷーさん
そうかぁ・・輝は純情だったのかぁ・・。未沙がちゃんと居てくれるからこその有難さを解ってんのかなぁ・・?解ってないよなぁ・・とか考えながら書いてました(^_^;)
2013-04-02 16:37 : michy URL : 編集
行けー!!
いえ、そんないけませんね。
そーゆー根性なし‥もとい、純情なのも輝の魅力の1つですよね。
このお話のラスト、輝のセリフにあのOPの曲が被って聴こえてきました~。
カッコいいッス!!
2013-03-31 01:42 : ぱよぷー URL : 編集
Re: 新婚さんでないですか
くまおさん
いつもありがとうございます(*^_^*)
一緒にソファーを買いに行くなんて・・輝ってワタシの事をどう思っているのかしら。。ドキドキな未沙と、あんまり深く考えようとしない輝って感じかなぁ・・第2部輝って、ヒドイ奴だから。
そうですね、いっそ襲って欲しいもんですが、初めて二人にとって、上官だの年上だのって、余計なハードルがあるもんなぁ・・とか妄想してます・・。
2013-03-31 01:17 : michy URL : 編集
新婚さんでないですか
 ソファーはふたりで家具屋に買いに行くなぞ、傍から見ると新婚さんいらっさいそのものですwww
 ふたりの新居の引越し真っ最中にも見えてしまいますが、そこは空白の2年間のですので、なんともいえない関係なんですよね。
 輝は若いんだから、TVの後半戦鬼畜と言われるのですから、襲ってしまうのもどうでしょうか、輝様へ。
 青春の悩みって感じでしょうかね。この時期は特に、そう思いたいです。
2013-03-27 20:35 : くまお URL : 編集
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