SS  帰還後 その4

michyです。アホです。その4です。

いやーーマジでアホです。妄想が止まりません。
でも、こうやって形にする事で、日常生活に支障まできたす事はなくなりました。実際、年末に妄想運転中に車を縁石にぶつけまして・・。

そういった意味では、リスク管理として上手くいっているかな。。

今回は、馬鹿ップルです。恥ずかしいからイヤな方は避けてくださいね。




復帰した管制業務は、一か月のブランクを感じさせる事はなく、周りも未沙自身もホッとさせた。

ロイ・フォッカーが戦死し、マクロス市民のアイドルである、ミンメイとマネージャーのカイフンは行方不明。その原因をつくってしまった輝は、処罰を受けるべきだと自身で訴えたが、事の真相は公にされず、ゆえに輝も処罰される事はなかった。
軍人が起こした不祥事に対する、市民の感情を考慮した事と、ミンメイの所属する会社側からも何らかの申し出があったらしいが、それがどんなものかは解らない。

夕暮れの戦闘の後に聞こえた歌声は、確かにミンメイのものだった。
あの後、巨人達から戦闘をしかけてくる事はなくなり、一見平穏な時間を取りもどしたように見えた。
上層部の人間の雰囲気から、未沙は感じた。ミンメイはカイフンと共に帰ってきている。何か、巨人達と交渉が進んでいる・・と。

憶測ではなく、本当に彼女が帰ってきていると思った時、未沙の心は以外にも静かだった。どんな事があっても輝が好きだと思う気持ちが、自分を強くしているのだろうかと思った。

「未沙!」
引き継ぎも済んで、部屋に帰ろうとした時、クローディアに呼び止められた。恋人を亡くしたばかりだと言うのに、普段と変わらずに振る舞う親友に、なにか出来る事はないかと思っていたが、帰還してから自分自身も余裕がなかった。


「クローディア・・、あの、少しは落ち着いた・・?もう少し休んでてもいいのよ・・」
「ありがとう。でもいいのよ。それより、さっき一条君に会ったの」
まだ彼女に輝の事を話していない。あの小さな告白の後、輝が毎日自分の部屋に来ている事は噂になっていてもおかしくない。少し赤くなった。
「あら、新しい恋人の名前を聞いただけで紅くなるなんて、早瀬少佐もかわいいわね」
「そんなんじゃありません・・」
からかわれて、上手く切り返せない未沙を見てクローディアは柔らかく笑った。

「彼ね、ロイからもらった腕時計、私にって・・」
「フォッカー少佐からの・・」
「ウィングマークを取った時にお祝いに貰ったんですって。もちろん、彼に持っていて欲しいから、貰わなかったけどね」
「そうなの・・」

輝らしい、不器用なやさしさだと思った。クローディアを、同じ悲しみを共有できる仲間として、何か出来る事をしたかったのだろう。

「・・優しい子ね・・」
「そう思う?」
うつむいて言った。

「彼には、懲罰なしって事を気にして、荒れちゃダメって、お灸をすえておいたわ。あなたにも、当たっちゃダメって言ったら赤くなってたけど・・何かあったの?」
「なんにもありません!」
また赤くなってうつむく未沙の背中を笑いながら押して言った。

「彼、体調を崩してるみたいだから行ってあげて!」
「えっ、そうなの?」
朝のメールには、そんなことは何も言ってなかった。
「お腹を出して寝てるせいかしら?じゃ、またね」
「・・ありがとう、クローディア・・」
この親友には助けられてばかりだ。

クローディアの背中を見送った後、近くの内線電話から輝の部屋に電話をかけた。
「はい・・」
「輝?早瀬です。大丈夫?クローディアに聞いたんだけど、具合悪いの?」
「・・うーん、ちょっとね。寝たら治るよ・・」
初めて聞くのではないかと思える元気のない声に、未沙は少し早足で歩きだした。

あの戦闘で、僚機の柿崎が撃墜され、隊長機のマックスも行方不明。
そしてミンメイの歌声・・。マクロスに帰ってから、輝にとって休まる時がなかった上に、そんな事が重なった。とうとう疲れが出たのだろうか・・と思った。

輝の部屋は、格納庫のすぐ近くにあって、緊急時に早く動けるような場所にあった。単身者用の部屋で、初めてそこに入っていく事もあり幾分勇気が必要だった。
輝は未沙の部屋に来る時に誰かと顔を合わせてしまった時は、「敬礼をしてやりすごす、」と言っていたが・・。

誰かと会ったら、それをやってみよう・・

密かな決意をもって輝の部屋のエリアに足を踏み入れたが、誰とも会う事はなかった。

「輝・・?」
部屋のカギを解除して中に入ると、ベッドサイドの明かりの下で輝がうずくまって眠っていた。声をかけず、持ってきたミネラルウォーターとスポーツ飲料を置こうとした時、輝が目を覚ました。

「あぁ、来てくれたの・・?」輝は起き上がろうとしたが、無理・・とばかりに、またベッドに倒れ込んだ。

「大丈夫?熱があるの?」
「うーん、ちょっと・・」
未沙は輝の頬に手を当てて言った。
「ちょっとなの?すごく熱い・・、ちゃんと診てもらった?もらった薬は飲んだの?」
メディカルセンターからもらってきたと思われる薬袋は開けられた様子がない。

「環境の変わった地球に長くいたから、どんな菌がついたかわからないから・・しばらく休んでろってさ・・。」
「そうなの・・」
「あいつら、培養するとか言って、俺からいっぱい唾とか血とか、ションベンまで取ってさ・・、人をバイ菌扱いしやがって・・」

輝はそう言うと、拗ねたように布団をかぶった。病気の自分を大事にして欲しいと訴えているようにも思えて、未沙は温かいものが沸き起こってくるのを感じた。

「フフツ・・バイ菌扱い?あれ?なんだか輝の顔がバイキンマンに見えてきたわ~」
「バイキンマン?・・俺がバイキンマンなら未沙はアンパンマンだ」
「アンパンマン?ひっどいわね~!」
二人は顔を合わせて笑った。輝は未沙の耳の後ろに手を伸ばすと、そのまま頭を抱くようにして未沙を引き寄せる。そのまま頬にキスをした。

「ほら、ボクの顔をお食べなさいって言うだろ」ニッと笑っていった。
「もう!バカ!」

笑いながら顔を上げると、意外なものが未沙の目に飛び込んできた。

ミンメイの特大ポスター。セーラー服姿の彼女が笑いかけてくる。自分がいない間も、この彼女は輝に頬笑みかけていたのか・・。

「・・ポスター、素敵ね・・」
ふと出てしまった言葉だったが、穏やかな口調だった事に自分でも安心した。
「へ?CGだよ・・」
目を閉じて布団に埋もれながら輝はつぶやいた。おそらく、輝のベッドの上に貼ってる、VFX-4のCGで作られた航空写真のポスターの事を思ったのだろうか。
未沙は近くにあった椅子に腰かけて、眠っていく輝を見つめた。

その後、薬なんて飲まないと駄々をこねる輝を、なんとか押さえつけて薬を飲ませた。そして、気分がよくなってから、後で食べられるように軽い食事の準備をした。

「帰るわね・・。何かあったら呼んでね・・・」
眠る輝のそばでささやいた。輝は目を開けると布団から手を出して、未沙の頬に手を当てて言った。
「ありがとう・・。来てくれて・・」
二人は唇を合わせた。

輝の部屋を出ると、勤務を終えて部屋に帰ってくる数人の若い軍人と出くわした。未沙は、昇進して支給されたばかりの新しい佐官の制服姿で彼らに敬礼をした。
「あぁ!早瀬少佐!」バタバタと体勢を整えて敬礼する彼らにほほ笑んで言った。

「お疲れ様。」

厳しくて有名な早瀬管制官の笑顔にあっけに取られた彼らを尻目に、未沙は自分の部屋に向かった。


和平交渉が本格的に進んでいるらしい。そして、その立役者となったのは、あのリン・ミンメイらしい・・。そんな噂が流れ始めていた。

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2011-03-06 : SS 帰還後 : コメント : 0 :
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