SS 帰還後 その3

出張から帰還。疲れました×100。

そやのに何で続きやねん!?って突っ込みなんですが、実はほとんど出来ておりまして。。。
見直し、ポンです、はい。

熱いですか?熱いかな~~~って言うんで、ちょっとソフトにしたつもりなんですが。。

え、え、エロ描写ありです。苦手な方は避けてくださいね。



1か月の漂流生活の後にもどってきた部屋は、何も変わってはいなかった。
未沙は天井を見つめて思った。変わったのは、自分と彼だ。

さほど広くないベッドの上に二人は重なるようにして横になっていた。輝は、終わったあとも甘えるようにもたれかかっている。彼の髪を梳く指に伝わる感覚が気に入っていた。

「ねぇ、未沙・・」
「なに?」
「腹減った・・。二人で運動したからかな・・」
「も~・・いやらしい事、平気で言うわね」
「いやらしいって思う未沙がいやらしいんだ」
未沙は。またごそごそ動き出した輝のオデコを、つんとつついてベッドから出た。


何か料理すると言っても、たいしたものは無かったのだけれど、パスタと冷凍してあった肉と具でなんとかなるかと思った。

「すごい食べっぷりよね、気持ちいい・・」
山盛りのパスタをとんでもない勢いで食べる輝を見て笑った。
「う~ん、あの生活で、筋肉がかなり落ちたからね。食べて筋トレしないと・・。ここは地上だし、この身体じゃGに耐えられない・・。」
「へぇ、すごいのね、命令違反の一条君っ!」笑顔で言った。
「またバルキリーに乗れるかどうかはわからないけどね」

未沙は、そんな事を言う輝を見つめながら思った。
輝は、自分が罪を犯したとまで思いつめているようだ。兄同然のロイ・フォッカーが死に、ミンメイとカイフンも行方不明。彼なりに、その事に向き合おうとしているのだろう。

輝は、まだミンメイが生きているかもしれないという事を知らないようだった。

そして自分は、ミンメイがいなくなっている状況を、望むような思いに囚われている。
マクロスの人々の防人であろうとした、自分が・・。

つらくなった胸をまぎらわすように、未沙は食事の片づけを勢いよく始めた。


次の日の朝、輝は昨日のお礼に、今日の夕食は自分が焼きそばを作ると言って部屋に帰っていった。

彼を見送ってから我に帰る。また今日も、あのヒラキと会わなくてはいけないのかと思うと気が滅入った。

しかし、今日の担当者は違う人物だった。
嫌な予感がした。

二日目は、二人で廻って目にした地球について話した。そして、あの遺跡で得た食器類の一部と、金属プレートも提出した。金属プレートの内容について、巨人の言語に知識のある未沙と、マクロス市街にいる言語学者が共同で解読を行う事となった。

最後に、原隊復帰の命令と、近く昇進の内示かある事を告げられた。

部屋に帰ってから、未沙は輝に電話をかけたか留守のようだった。
胸がざわつく。今日、ヒラキが輝を担当したとしたら・・。

その時、部屋の扉のロックが解除される音がした。

「5桁の暗証番号を覚えてるって、すごくない?」
輝だった。

未沙の心配とは逆に、輝は元気に見えた。
「台所借りるね、やっぱ広いな~」
「ねぇ、手伝うわ」
「いいよ、俺こだわりの味なんだ、ってただのソースなんだけど」

ほっとした。輝はいつもと同じペースを保っているように見えた。しかし、一緒にいるにつれ、どことなく、彼がつらそうに見える事があった。未沙には、なぜそうなのかを聞く事が出来なかった。

食事がすんで、片づけをしようと立ち上がった時、輝は話だした。今までとは違う、少し暗い声だった。
「あのさ、今日、俺についてたヒラキってヤツ。昨日は未沙だったんだろ。」
「えぇ・・」始まったと思った。


「嫌なヤツだった。いろいろ聞かされたよ」
「・・・」
「ミンメイが、生きているらしいって・・」
未沙は泣きそうになる胸をつかんだ。
「・・そう、良かったわ」
「まだ公には出来ないけど、早瀬大尉は感づいてたって言ってたよ・・」
「・・確証のない、話だから・・」

輝は額を両手で押さえながら呻いた。
「・・ミンメイが生きていたのなら・・嬉しいよ・・」

未沙は足元から力が抜けて落ちるのを感じた。輝を見る事も、動く事もできない。

「でも、それだけじゃない・・・」
輝はテーブルに座ったまま言った。
「今回の俺の行動は、ただのコンプライアンス違反だって。その上、二階級も昇進で原隊復帰・・そんな、おかしいよ・・」

「・・・この事は、もう、あなたやミンメイさんが起こした個人的な事じゃないって事なのよ・・」
「そんな事あんたに言われなくっても解ってるよ!!」
輝は両の拳でテーブルを殴った。置かれていた食器が激しい音を立てて揺れた。
刺すようなその大声に、未沙の身体が小さく震えた。輝も、つらそうに未沙から視線をそらした。

「俺は・・ちゃんとしたいだけなんだ・・」

重い沈黙が続いた。

ふと、輝が顔を上げて意外な事を言った。
「あんたが何か言ったのか?」
「どういう事?」未沙には輝がこれから何を言い出すか、想像できない。
「俺に有利になるような事を言ったのか?」

「輝・・」
輝はハッと顔を上げた。マクロスにもどって、初めて名前を呼ばれた。
「私は・・あなたの事が好きよ・・」

「だからってね・・」
輝は立ちあがって未沙の腕をつかんだ。
「最後まで聞いて!」
「俺に惚れてるんだろ!!」
強引に唇を重ねた。獣の舌が未沙の中で暴れだす。

「・・っ!!」

輝ははじかれたように未沙の唇から離れた。口角から薄く血が流れている。
未沙はその隙に、輝の身体を押し離して言った。

「あなたが好きよ!でも、だからって、起こった事や見た事を曲げて話すなんてことはしないわ!・・・馬鹿にしないで・・・!」

強く見据える瞳には涙が浮かんでいる。引き結んだ唇は、さっき噛み切った輝の舌から流れた血で赤く染まった。瞬きも許されないほど、美しい。

未沙に目を奪われた後、輝はハッと我に返ったように言った。
「・・当たり散らして・・悪かった・・」
厳しいやり取りの後だけに、二人とも緊張したままだ。
「・・・」
「俺も・・・好きだ・・」

未沙は顔をあげた。輝がとても大事な事を言った気がするのに・・。

「・・あんたが・・好きだ。未沙・・」

突然の告白だった。輝はどんな事も突然で・・。いつも調子を崩されてばかり・・。
涙がいっきに溢れ出した。足元から力が抜け、ふらついて見えた未沙を輝は抱きとめた。

「ごめん、泣かして、ごめん・・嫌な事を言って、ごめん・・甘えてばっかりで、ごめん・・」
嗚咽する未沙を抱きしめて輝は呻いた。

涙の理由はたくさんあったが、もう、どうでもよかった。
輝は未沙の頭を抱いて、その髪に顔を寄せた。シャツが涙で濡れている。

「・・座ろう・・立ってちゃ落ち着かないよ・・」

輝はテーブルに目をやったが、さっき自分がテーブルを叩いた勢いで食器が散らばっている。こんな所では落ち着かない・・。そのまま未沙の肩を抱いてベッドの端に座った。

「ごめん、ごめんな・・」
未沙は弱く首を振った。
「ほら、すごい顔になってるよ・・。これ使いなよ」
輝は未沙の化粧品を置いてある一角から、ティッシュボックスを持ってきて言った。

困った顔でうろうろする輝を見て、未沙は泣き顔のまま噴き出した。
「あ・・」安心したように顔を覗き込む輝の前で、涙をぬぐった。
「いつもひどい事言うわね・・」
「だから・・ごめんって」
「・・すごい顔だなんて、ひどい・・」
涙でうるんだ瞳と、嗚咽で赤らんだ唇でほほ笑んだ。
輝がその唇に顔を寄せると、二人はそのまま倒れ込んだ。

吐息が溶け合う。
未沙は思った。頼りなく、ほんの一瞬で消えたような告白が、これほどまでに自分達を変えてしまうのか。
もう・・、輝の愛撫に耐える事もなく、自分の身体の反応に戸惑うこともない。

お互いが素直に、愛し、愛される歓びに浸った。

もっともっと、溶け合っていたい・・。

「・・未沙・・」
輝が耳元でささやく。合わさった部分に動きを感じ始めた時、未沙は輝の背中に爪を立てて言った。
「・・輝、だめ・・動かないで・・」
「なんで・・?」
動くと、輝は終わってしまう・・。
「ごめん、我慢できないよ・・」
欲望の吐息が大きく吐かれた。



ベッドサイドのオレンジのランプが温かく灯っている。未沙はふいに目が覚めて、ゆるゆると起き上がった。そばには輝がうつぶせになって寝息を立てている。
朝になったら、少し早めに彼を起こして、部屋に帰さなくては・・。そう思いながら、輝のクセのある髪の毛をなでた。

未沙には、まだ輝から欲しい言葉があった。しかし、もうこれ以上自分の安心のために、彼を追い込む事は出来ない。

どちらに転んでも、覚悟を決めるのは同じだ・・。
そう思って、まだ眠る輝を見つめ、その頬に口づけをした。


夕暮れの戦闘の後、美しいメロディが聞こえた。それは、三つのそれぞれの心の輝きを映し出すような、美しい歌声だった。

三人は、その後、想像のつかなかった形で再会する事を、まだ知らない。




出張から帰った素の頭には、かなりキツイものがありましたが、いつものまぁええわ精神で突っ走りました。

つづく・・か?うーーん、でも、ミンメイもよく頑張ったよな~~輝の事、想ってたんだろうなぁ~~とも思うし・・。冗談は、どういうシーンで出た言葉なんでしょうね。
スポンサーサイト

2011-02-26 : SS 帰還後 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

プロフィール

michy

Author:michy
記事へのコメントは、予告なく削除する場合があります。また、記事と関係のないコメントにはお返事しないか削除する場合があります。