SS moon dairy

忙しいとかなんとか言いながら、結構更新してます。

今回はSSの更新でございますです。
空白の2年間、輝、月にいます編。

このお話、続くと思うのですがどうなる事やら。





未沙は、最近になって小さな手帳を持つようになった。任務のためのアナログな分厚い手帳ではなく、ほんの薄い手帳。

未沙の任務の姿しか知らない人がみたら驚くような手帳。
Moon dairy 月が導くあなたの幸せ と描いてあった。
日々の占いまで書かれているその手帳には、月の満ち欠けと月が昇る時間が書かれていた。

休憩の時間。一人でそっとその手帳を開いてみる。
今日の月の出は、18:30。
雲のない日だから、帰り道に月が見える。

月には、いつも必ず助けてくれた、彼がいる。



同じころ、月面のアポロ基地にある展望スペースで、輝は地球を見ていた。

月での任務はそれなりに大変だった。充実感も、確かにあった。経験の浅い輝にとっては、どんな任務でも達成させるには精一杯やらなければならなかった。
しかし、あの綱渡りのマクロス漂流時代を思うと、ここでの任務は平和で単調に思えてしまう。
月での任務終了は、まだまだ先の話だ。

輝は、はっと息をついて、改めて地球を眺めた。
そろそろアラスカが見える頃だ。アラスカ周辺には雲は無いようだから、今日はあの北の大地が良く見えるだろう。

確か以前にも、宇宙にいたマクロスから、こんな風にアラスカを探した時があった。

未沙が異星人との和平への決意を持って、たった一人で地球に降りたあの夜。輝は未沙と再び逢う夢を見た。
「大尉一人に頑張らせてごめんよ・・。」
夢の中で抱き寄せた彼女の髪から、あの異星人たちの前でキスを交わした時に鼻腔をかすめた匂いが確かにした。夢の中だと言うのに。

あの時は、再び逢えるかどうかなど解らない状況だったのに、なぜかまた必ず逢えると思っていた。

そして今。必ずまた逢える状況なのに、なぜか不安になる。

話がしたい・・。今、君と・・。

暗いばかりの宇宙を飛んでいると、自分達の母艦だったマクロスの光が懐かしく思い出された。マクロスが放つ光に、どれほど安堵し癒されていたかを思い知らされる。
光に導いてくれた未沙は、今は遠い地球にいる。

いつもこうやって、この展望台から離れられなくなってしまうのだ。
輝はそっと手すりから手を離して、地球に背を向けた。

部屋に帰って、いつものようにメールソフトを立ち上げて、あのアドレスからのメッセージがないかを探した。
飛行隊のメンバーからの、悪ふざけなメールと一緒に、彼女からのメールもあった。

メールを開くと、律儀な彼女らしく、近況や輝の健康を気に掛ける内容がつづられていた。
文面の最後に添えられている言葉が、目にとまった。

今、月を見ています。

                   未沙



ぎゅっと胸をつかまれるような感覚を、深く考える余裕などない。
ただ、逢いたいと思った。


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2012-04-17 : 空白の2年間 : コメント : 2 :
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Re: 今、月を見ています
akatomo様
初めまして、michyです。コメントありがとうございました。このSSを書いていた頃はコメント欄を出していなかったので、こうやって、感想を聞かせていただくと、とても嬉しいです。
月にいる輝を想う未沙。この辺りの二人はなんだか片思いのような違うような微妙な感じだけど、思っている相手が遠くにいて、時々便りをくれるのは、嬉しいだろうなと。。でも、おっしゃる通り、対面した後の第2部は・・ねぇ。でも、ちゃんと書いてみたいです。
2013-09-21 00:05 : michy URL : 編集
今、月を見ています
はじめまして。
最近、たまたま書店で初代のコミックを見つけ、30年ぶりにあの頃の思いが再燃。
そして、これまた、たまたま見つけた「飛行機雲見つけた」のリンクからこちらにお邪魔しました。

最後の
「今、月を見ています。」
未沙の心がひしひしと伝わってきて、とても感動しました。
。。。でも、これでもまだしっかりと未沙の心を受け止められない、このあと(二部)の輝の鬼畜ぶりには「...」ですが^^;
2013-09-17 21:51 : akatomo URL : 編集
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