SS 下り坂、のぼり路

あの・・。TV版SSです。おそらく続きます。オチはないと思いますが・・。

テレビ版、おもしろいよ~~(T_T)
20話あたりのSSです・・。

妄想って、止まらんもんですね・・。




なんて様だ・・。

病院の一室で、一条輝は唸った。タイミングを外したダイダロスアタックのミサイルの誤射により、被弾。情けない事に、味方のミサイルに撃墜されてしまった。

その上、隊長機の自分は撃墜されたのに、僚機はまったく無事。しかも、2番機のマックスが3番機の柿崎を連れて、無傷でちゃんとマクロスに帰還。おまけにマックスは2機編隊のリーダーの経験なんてありゃしないってのに・・。さすが、天才って事か・・。

夢の中でささやかれたあだ名「撃墜王」
嫌な事に、そのあだ名があまりにもしっくりきて、気分が萎える・・。

ミンメイは、ちゃんと見舞いに来てくれた。本当に嬉しかった。

でも、すでにスターの彼女は、いかにハードスケジュールで大変かをおしゃべりして、輝が話をしようとした時には、もう眠ってしまっていた。

スヤスヤと、気持ちよさそうに眠るミンメイをみつめて、輝はそっと膝を抱いた。

視界の端に、ピンク色に咲く花が映った。
この花は、さっき早瀬大尉が持ってきてくれた、花。
早瀬大尉は、バルキリードライバーからは、「鬼の早瀬」「ブリッジの女帝」などと噂されてはいる。でも、あの人は、優しい人だ。ただ、力が入っているだけで・・。
巨人たちの宇宙船の中の湖で話した早瀬大尉は、しっとりと女らしく、しかも、彼女にとってはどうでもいい、ミンメイとの話を聞いてくれた。

今回も、一番言って欲しかった言葉を、早瀬大尉が言ってくれた。

「大丈夫よ、あなたのせいじゃないわ・・。あたたは、とてもよくやっているもの・・」

この言葉を、ミンメイが言ってくれたら・・。

ミンメイは、足元で眠っている。濡れた唇からは、小さな吐息がもれている。あの閉鎖地区に閉じ込められた時に間近で聞いた吐息と同じなのに、どうして今は、こんなに遠くに感じるんだろう。

顔を寄せる勇気があれば、このまま彼女にキス出来る。そう思って、輝は立てた膝をほどいて、ミンメイにジリジリと近づいた。
軽く目を閉じて、深く呼吸したとき、瞼の裏に写ったのは・・。

・・またか・・

それは目を閉じた、早瀬未沙。
彼女の唇も瑞々しくて、おばさん呼ばわりした事を、ちょっと悪かったかなと、思った。
時々、思いもかけないタイミングで思い出す、年上の彼女とのキス。
考えてみれば、早瀬未沙とのキスは、初めてのキスなのだ。

輝はミンメイに近づきつつあった体を、元にもどして再び枕に背中を沈めた。
小さく溜息をつく。その息遣いが部屋に響く前に、建物そのものが揺れた。

「攻撃か!?」

眠るミンメイを置いて、輝は部屋をでた。
窓から見えたのは、果敢に戦うマックスだった。しかも彼は敵を追いつめて、この街を危機から救った。
隊長の自分がいなくても、ヤツらは十分に戦果を挙げている・・。そう思うと悔しくて、少しばかり悲しくて、誰かのぬくもりが欲しくなった。輝は足早に部屋に戻った。

部屋に戻ると、もう彼女はいなかった。
元々来てくれた事が、もう夢のような事なのだ。ミンメイがいなくなっている事に、輝は特に何も感じないように努力した。

気晴らしに、早瀬未沙が花を生けてくれた花瓶の脇に置いてあった、プラモデルを手に取った。
ロイ・フォッカーがくれたこのプラモは、彼と父親が組んでアクロバット飛行をやっていた頃に使っていた機体だ。

出来上がったプラモを手に、当時の飛行を振り返っていた時、悲痛な顔の早瀬未沙が部屋に入ってきた。

「・・フォッカー少佐が・・死んだわ・・」

全身の血液が凍りついた。

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2011-12-19 : 第一部 : コメント : 0 :
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