SS サラダ

イーグルだブルーだバイパーゼロだ!ってもうファイターだらけの日々。今後の一番近い航空祭は、10月の浜松基地と小松基地。T-4祭りにすべきか・・イーグルの巣にすべきか・・。

でも、そんな中でワタシ初のテレビ版SSです。でも、テレビ版はまだ「ビックエスケープ」までしか観てないんですけどね(^_^;)一気書きです・・

よろしければ、お付き合いくださいね






「こりゃもう、みんなでパーティしましょうよ!無事あの巨人の巣から帰ってこれたんですから!」
そう言ったのは、やっぱり柿崎だった。

あの偵察の途中に囚われた3人と危うく逃れた一人は幸運が重なり、なんとか無事帰ってこれた。その興奮が冷めやらずはしゃぐ柿崎に、輝達も同じように楽しい気分になった。

だけど・・。輝はチラリと上官の顔を見た。上官と言うには、なんだか少し・・違うような・・いや、上官には変わりはなのだが・・。

「楽しそうね、一条君、この際だから一緒に楽しみましょうよ」
上官の早瀬未沙は、本当にうれしそうに笑っている。なんだか、その視線をまともに受けるには、まだ少し力不足なのだろうか。ほんの少し視線をそらした。

「ハイ・・そうですね、もうこの機会を逃したら、この4人で集まるのは難しいでしょうし」

「うふふっ」
未沙が輝を見て上目づかいに笑った。
「なんですか?」
ちょっと驚いた。
・・早瀬中尉はこんな笑い方をする人だったんだ・・・。

「顔に書いてある。そんな事より、はやく彼女に会いたいって」

「イヤッあの・・」
顔が一気に火照って熱くなってしまっているのが自分でもよくわかった。
そう、やっぱり、早く彼女に会いたい・・。そして、彼女の伯父さんや伯母さんにも・・。

「そっか、じゃあ、ダメ・・」
未沙が穏やかにそう言いかけた時、後ろにいたマックスが声をかけた。
「いや、隊長。やっぱりここは行っとくべきですよ。・・あぁ、じゃあこうしましょう。今日はゆっくり思い思いに過ごして、明日の公聴会の後に打ち上げ的に・・・」

「・・そうだなぁ・・」
そう言って腕を組んで天井を見つめて唸っている間に、マックスは微笑を浮かべて、未沙に にじり寄って小声で言った。
「大丈夫ですよ中尉。あの娘は隊長なんて、ただの友達だって思ってますから。隊長だって、そのうち自分の気持ちに気が付きますよ・・」
軽くウインクして見せるマックスに、未沙は慌てた。

「ちょっと、マックス君・・あのね・・」
「まぁまぁ、じゃあこれで決まりですね!場所は僕が適当に決めておきます。中華は油っぽいから身体にこたえるし、他でもいいですよね」
「やったぁ!なんでもいいから腹いっぱい食べたいです!!」
跳ね上がる柿崎の前に、未沙も、さっきマックスに言いたかった事を改めて話すのをやめて、一緒に笑った。



フォールド航行による時間のズレは、思った以上に驚かされるものだった。可愛い少女だったミンメイは既にスターになっている。輝にとっては、たった数日間あの巨人達の戦艦にいただけで、マクロスに帰ったらミンメイがまた一緒に喫茶店でデートしてくれて、そして今度こそ夜食を届けてくれるような思いでいたのに・・。

どことなく、あの人はどうだったかな・・と思った。少し気になるあの人は、待ち合わせの時間に遅れると連絡があった。

「中尉!こっちですよ!」
「早瀬中尉!お疲れ様です!」
マックスが予約した和洋折衷のレストランの入り口でキョロキョロする未沙に、柿崎とマックスが手を挙げて合図した。それをみてぱっと笑った未沙は、ショルダーバッグを降ろしながら近づいてきた。
「ごめんなさい、少しやっておきたい事があって、以外にそれが長引いてしまって・・」
輝の隣の席が空いていて、そこに腰掛けながら未沙はやさしく言った。

こんな未沙を見ると、どことなく安心するような心地がするが、まだその感覚の正体は輝自身にも不明だ。ふと、巨人戦艦の水たまりの前で、二人でぼんやり話した時間がよみがえる。ミンメイとの恋愛の話しを聞いてくれたあの時みたいに、今日もこの不安な気持ちを聞いてくれるだろうか・・。
輝も穏やかに笑って言った。
「いいんですよ、適当に頼んじゃいました。何か食べたい物はありますか?」
「そうね・・サラダは頼んだ?」

「サラダは・・頼んでないね」
輝はマックスを見て確認するように言った。
「さすが早瀬中尉は女性らしいですね、美容と健康のためにサラダですね。たくさん種類がありますよ。選んでください」

マックスが二人の間にメニューを置いた。

「そうねぇ・・」
自然に未沙が上体を輝に寄せる形になった。俯いてメニューを吟味する未沙からは、あのキスで接近した時と同じ匂いを輝は感じた。
あの時と同じ、シャンプーと彼女自身の甘い匂いがしてギョッとする。

あのキスの感覚がいきなり蘇った。あの柔らかくてツルツルして暖かかった、未沙の唇。
・・柿崎なんかが俺の代わりを出来っこないのに、アホなヤツ・・と心底思った、あの時。

「ねえ、私お豆腐のサラダがいいわ」
未沙が嬉しそうに顔をあげた。未沙と一緒にメニューをなんとなく覗いていた輝の顔とは、かなりの至近距離だ。
「・・うん・・」
輝はそう言うのが精一杯。二人の顔がかなり至近距離にある事に、二人はハッと気が付いて、おずおずと自分のスペースに戻った。

そんな輝と未沙を見て、マックスは怪しまれないように、ちょっとだけ笑った。

「わかりました。豆腐のサラダ、頼みましょう」
そう言って、マックスはウエイトレスに手をあげて合図した。

同じ異様な時間を共有した仲間との楽しい時間。男どもが頼んだ肉中心の食事のなかで、未沙の選んだお豆腐のサラダは、なんだかやっぱりほっとする味だと、輝は思った。




おしまい。

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2011-08-10 : 第一部 : コメント : 0 :
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