ファイターパイロット 6

愛おぼ版、輝訓練生妄想です。
柿崎は年上の同期生的な設定で・・。今回やや長めで、趣味全開です。

で、しばらくお絵かきしてないので、がーーと描きました。。

yokogao.jpg


週末は千歳基地航空祭に行ってきます。楽しみ過ぎて壊れそう。。あぁ!!レンズにカビが!!これと取れん!!なんでやぁぁ!カメラのキタガワにゴーーーーーッ!!






ウイングマークを取ってパイロットになったその日から、彼らにとってフライトの無い日は待ち時間だ。たとえ年齢を重ね足腰が立たなくなったとしても、彼らは次のフライトに備え準備し続ける。



管制塔から出発の許可がでた。手を上げて合図する整備要員の指示に従って機体を前に進めるべくスロットルレバーに手を掛けた。甲高いエンジン音に包まれる。

「タワーよりトレーニング・フライト5.5へ、滑走路クリア、風は1400方向10ノット。高度10000フィートでチャネル3に設定し、レーダーサイトと交信せよ」
「トレーニング・フライト5.5、了解」
ラストチャンスエリアで機体の最終チェックを終えると、一条輝は「どれだけこの時を待っていたか」と、いつも実感する。長い座学のあの苦痛な時間。理論や根拠が大事なのは解るが、やはり飛行機乗りは飛んでなんぼだ。後席で輝をチェックする教官の目線も、もはや気にならない程集中していた。

滑走路に進入すると、黒々としたタイヤの後が大空に導くように見える。
VF-1Dの1画面を3分割した液晶パネルにエンジンの回転数が表示され、いつ出力を上げても良い事を表示している。

「トレーニング・フライト5.5、滑走路07からの離陸を許可する」
「了解。離陸する」

輝はスロットルレバーを前進させた。重く進みだした機体はガタガタと揺れたが、いっきに風景が後ろへと流れ、そのスピードがMAXになった頃あいを見計らって操縦桿を引く。フイッと空に浮きあがりタイヤと滑走路が掻きならしていた振動が治まった。主輪と前輪が胴体にたたみこまれ、輝と教官を乗せたVF-1Dは地上から遠ざかっていく。そのパワーとスピードには驚嘆する以外にない。この化け物エンジンは、まだアフターバーナーに点火していないのに、これ程のパワーで一気に亜音速巡航速度まで達してしまうのだ。

操縦桿とスロットルレバーを握る輝の瞳孔は、もうとっくにアドレナリンの作用で開き気味だ。あれほど奇妙に思ったこのVF-1は、実際に操縦してみると、恐ろしく素直でパワーがあり、そして俊敏で軽快だった。コンピューター制御である自動操縦最適化システムにケチをつけたい気分だったが、コンピューター制御だからこそアナログに近い感覚があるのは意外だった。

・・これは・・

今日の課題である飛行課目を一つ一つこなしていく。9Gをかけての旋回をあっさりこなす輝に後席の教官が軽く口笛を吹いた。

・・これは・・いい!!

輝はVF-1の操縦にのめり込んで行った。
日本から来た、あのチビはなかなかやる。ヤツは操縦のセンスに長けて、しかもあの体つきに似合わず恐ろしくGに強い。そう噂されていることなど、輝には気が付かない。

飛行後の教官との面接はいつも激しいものになる。厳しい指導は吊るしあげに近いものがあるが、そんな事にいちいち落ち込む繊細さは、もうとっくに失われてしまっている。
面接後、今回のフライトを記録したメモリースティックを持ってコンピューターの前に座ると、教官のガードナー少佐が話しかけてきた。彼はこのバルキリードライバー教育部隊においても、ひときわインテリジェンスの高い人物だった。
「おい、イチジョウ、お前水分は補給したのか?」
「え?」
今どうして水分なのかが輝には解らなかった。
「かなり汗をかいているぞ、飛行服がびしょ濡れだ。気が付かなかったのか?」
そういえば、あの宇宙服にもなるスーツの下に着る、綿素材の飛行服が汗で色を変えている。それを見たとたん、とんでもなく喉が渇いている事に気が付いた。

ただのミネラルウォーターでは満足できず、炭酸飲料を売店で調達する事にした。
コンビニサイズの売店で種類が豊富な炭酸飲料を物色していると、柿崎が現れて輝の背中をたたいた。
「いよっ!優等生!買い物か?!」
相変わらず明るく軽い男だが、部屋が一緒で寝起きを共にしていると、この男なりの懸命さが解るようになっていた。
「俺が優等生?お前こそ、日本でバルキリーとコンセプトが似てるバイパーゼロを操縦していたから、機種転換はへっちゃらだとか言ってたじゃないか」
「俺はいつでもへっちゃらなんだよ。って言うかさ・・」
柿崎がレジの辺りをチラ見しながら耳元でこっそり囁いた
「お前、あのレジにいる女、気が付いてるか?」
「レジにいる女?」
確かにレジには栗色の軽くウェーブのかかった肩までの髪をした女がいた。
「彼女がどうしたんだ?」
柿崎は呆れたように顔を歪めた。
「あの女、ずっと前からお前にビーム送ってるぜ・・。ほら見ろよ、なかなかいいぜ。目元も口元もだらしなくてさ・・」
確かに以前からよく目が合っていると思った。今回も目が合った。彼女は上目づかいでチラッと笑ったので、いちお、会釈はしたのだが・・。
「あれがビーム?」
真面目な顔を柿崎に向ける輝に、柿崎もやれやれという顔をした。
「ま、俺は彼女と一緒に働いてるナナちゃんが好みなんだけどなっ。誘うタイミングを伺ってるんだけどな~」
「勝手にどうぞ」
付きあっていられないので、さっさと買い物だけ済ませてその場を去る事にした。


「むーーーーん・・」
自習室にあるパソコンの前で輝は唸った。今日の自分のフライトを一つ一つ振り返るのは、訓練生なら誰でもやっているとはいえ、今他にパソコンの前にいる訓練生はもういない。時計の針はもう翌日になろうとしている。

「どうだ?まだ帰らないのか?」
話しかけてきたのは、同じ自習室で勉強中のオーストラリアからの訓練生だった。
「えぇ、もう少しだけ。・・もっと、小さく動けないかと思ってね。バルキリーは機動性能がかなり高いと言えるけど、こんなデータは敵にもあっと言う間にとられるだろうし・・。この性能の限界を超えた動きというか・・何か違う機動がないかとか、ね・・。」
うーーーん・・と訓練生は腕を組んだ。
「確かに高い機動性はこの機体の特徴だな。今までの異星人と思われる飛行物体のデータを解析したデータを見ると、バルキリーの限界を無理に引き出す事なく敵に追いすがる事が出来るはずだ。それに、今のミサイルの性能は、よく知っているだろ?異星人と空中戦をせずとも、ミサイルの追尾機能でもって敵を撃墜できる」
「・・ですかね・・」
輝はふっと息をついてからまた言った。
「とにかく、もっと上手くなって強くなりたいんですよね・・」
「熱心なのは良い事だが、もう夜中だ。明日も早いから早く寝ろよ」
輝の肩を叩いて、彼は道具をまとめて部屋に帰って行った。

「明日か・・」
6時朝食7時集合。この生活にはすっかり慣れて、もう早いとは感じないのだけど・・。
結局、パソコンをひと睨みして輝は部屋に帰る事にした。


「遅かったな~、待ちくたびれたぜ・・」
椅子にもたれかかった柿崎が両腕を「うーーん」と伸ばしながら振り返った。
「・・ただいま・・」
適当に返事をすると、輝はそのままベッドにごそごそ入り込んだ。
「おいおい、話しがあるんだ。お前、俺の合コンに付き合えよ」
「イヤだっ」
もうすっかり寝るモードになっている。枕に顔を擦りつけた。
「なーーーっ助けると思って~お前が来なきゃ彼女達は来ないって言ってるんだ」
「・・なんで・・・?」
「安心草食系だからじゃないか?」
「・・うるさいなぁ草食草食って・・」
もう半分夢の国状態だ。

「おい、寝るなよ~話し聴け!」
「解ったようるさいな~行くよ・・飯だけ食いに行けばいいんだろ・・」
柿崎がなにやら大声を上げたようだったが、輝は無視したい気持ちと眠気が勝っているのとで、そのまま瞼を閉じ深く眠ってしまった。



スポンサーサイト

2011-08-03 : SS ファイターパイロット : コメント : 2 :
コメントの投稿
非公開コメント

Re: No title
びえりさん
実はワタシも、これミサイルじゃダメなんだろうか・・と、思ってました
でもミサイルを追い越すっていうので納得しました
今の戦闘機も空戦じゃなくてレーダーでいかに早く相手を見つけるか・・ってのを、どっかで読んだので、ちょい書いてみました
2015-07-14 21:12 : michy URL : 編集
No title
そうそう、そうなんですよね。
ホントは戦闘機の性能を上げるよりもミサイルの性能を上げた方が手っ取り早いんですよね。
自分のSSでヴァーミリオン作戦書いてる時に「これホントは輝が飛ぶよりステルスミサイル撃った方がコスト安く上がるよな〜」とか考えてたのは秘密です>_<
2015-07-13 21:41 : びえり  URL : 編集
« next  ホーム  prev »

プロフィール

michy

Author:michy
記事へのコメントは、予告なく削除する場合があります。また、記事と関係のないコメントにはお返事しないか削除する場合があります。